6月1日発表された平成27年度決算。
メディアでもひととおり報道されたようですので、考察しながらこちらでもお話したいと思います。
最終的な単年度赤字は303万5382円。
経費の中には、1月1日に起こった踏切事故の際の機器修理費が約310万円含まれていますから、この特殊要因を除外した収支はわずかながら黒字と言えます。
まあ、開業前の10か年計画では9年目で収支均衡と位置付けられていましたので、ほぼ計画どおりといえるでしょうか。
ただ、最終値では計画どおりですが、中身はだいぶ趣が違います。
当初68万人まで落ち込むと想定されていた年間輸送人員は、27年度で98万7515人。計画を大きく上回っています。
それに合わせて旅客運輸収入も、開業初年度の1億7729万円から27年度は1億9989万円と2億円寸前まで伸びています。
じゃあ「もっと早くに黒字化できなかったの?」。
当然の疑問にお答えしておきましょうか。
まず、安全対策にかかる支出。湊線は、前経営者の茨城交通が安全面について非常に配慮され、保安度の高い路線です。ほぼ全線でコンクリート枕木と重軌条化が完了しているローカル線は他には見当たりません。とはいえ、安全の追及に終点はなし。より安全を確保するため、とくに社内規定の整理や従業員教育にお金をかけさせていただきました。27年度においては外部への教育委託費などで約500万円、本年度も同額程度を支出する予定です。
2つ目は、お客さまへのサービスと安全向上のための費用。昨年度までに各駅に監視カメラを設置と放送マイクを設置。不測の事態に備え、常に駅の動向を把握し、お客さまに情報を提供できるシステムを導入しました。また、クレジットカードの導入や商店街のポイントサービス「みんなのカード」制度への加入など、より便利にそして少しでも感謝の気持ちを還元できる施策も取り入れました。
さらに人事面では、昨年度までに茨城交通からの出向扱いだった従業員の直接採用化などを実施しました。これによって、従業員との直接的なつながりを強化し意思伝達をスピードアップすることにより、保安度の向上と営業増進が図られました。合わせて、定期昇給制度と臨時給の業績連動を導入し、会社の未来を担う若い層にやる気の持てる職場づくりを目指しています。
この他にも、湊線100年史の編集を行ったり(過去の総括)、キハ11の導入に当たりいくつかの設備整備を行ったり(将来の安全確保と営業増進)と、長く安定的に鉄道を維持できるしくみづくりを続けています。
こうしたことにお金を使え、それがさらに安全性向上と収入増に結びつく。いい流れに湊線が乗っています。
その背景には、皆さんの予想を上回るご利用とご支援があります。
ほんとうにありがとうございます。
瀕死だった地域鉄道が元気を取り戻し、さらに延伸などで支援していただいた皆さんに恩返しができる、そんな時代が近づいている気がします。