海浜鉄道日誌

アフターコロナ 収支均衡維持には?

 ひたちなか海浜鉄道は、2023年4月に開業16年目を迎えます。

 開業以来、5年ごとに経営計画を策定し、それに合わせて運営を続けていますので、来年度は新たな5か年計画のスタート年度になります。

 さて、どうしましょう。

 コロナの影響で、このままだと運輸収入は最盛期の85%が落としどころと推測されます。

 と言うことは減収額は2億円×15%で約3000万円。

 経費については、物価上昇、とくに燃料費の高止まりが懸念材料です。これを節約でどうにか切り抜けるとしても現状維持が、せいぜい。

 民営の地域鉄道は、この危機を資産売却や人員削減でしのぐのでしょうが、湊線の場合、売るものもなければ人員合理化の余地もなし。

 40分間隔を確保している現行ダイヤの縮小も悪手としか思えません。

 となると、収入増が必須課題となります。目標はひとまず最盛期までの回復=3千万円の増収。

 どうしましょう。

 観光需要は、回復が期待できます。ハイシーズンの国営ひたち海浜公園への輸送増強。アクアワールド・大洗対策も海浜公園ほどの効果はないとは思いますが有望です。JR東日本との連携など、これまで”待っていた”状況だった誘客体制を攻めに転換し、需要取り込みを図りましょうか。沿線の花火大会やイベントなども再開されますから、それらとの連携も強化しないと。これらで700円×1万5千人にお越しいただければ1050万円。大きいですね。

 車両貸切などの新機軸は?

 キハ205を中心に、1回10万円の月2回くらい呼び込めたら。ふるさと納税の返礼品であることもしっかりアピールして。これで240万円。ひたちなか市の財政強化にも貢献しますから、第三セクターの面目躍如といったところでしょうか。この他に、車庫見学などもできる限り。

 普段使いのお客さまは?

 通学利用は、これまでどおりの学校や教育委員会との連携+みちのりHDが実施して効果を上げているダイレクトメールなども取り入れ、潜在需要の取り込みを図りましょう。”とりあえず年間定期券以外を購入した”方についても、使用後に無手数料で年間定期券へ切り替えできるシステムを作って、長期の利用を喚起しましょう。

 通勤定期については、企業定期や特典付加が効果的でしょうか。厳しいけれど、購入者に金銭的アドバンテージがある施策を取り入れられれば、それなら通勤は湊線で、というお客さまがいらっしゃるかも。

 MaaSやQR決済も考えていく必要がありそうです。最寄りが無人駅でもスマホ1台で定期券が買えて、決済ができて、スマホに券面が表示される。駅業務簡素化の効果も期待できますね。

 グッズ販売も、他社に比べて脆弱です。潜在需要がありそうな女性や子供たちに向けてのものが皆無状態です。鐵道神社のお守りがあんなに評判がいいのにそのノウハウを活かしていないような。日立アカデミー、大成女子高校、勝田中等教育学校など、さまざまな皆さんからいただいたアドバイスもしっかり参考にして。姉妹鉄道である銚子電鉄も見習わなければいけません。購買層の拡大と貪欲さがキーですね。これで数百万円の利潤(売上じゃないですよ)が出れば…。

 あとは、ツアー誘致やイベント強化など。ロケ誘致も積極的に取り組んで行きましょう。

 あら。「なんとかならないことは、ない」気がしてきました。まだまだ努力は必要ですが。

 そういえば、延伸も待っていますね。

 とにかくアフターコロナの5年間、がんばります。

 みなさんのお知恵もいただきたく。

 よろしくお願いします。