海浜鉄道日誌

鉄道事業者 もっとアピール必要

26日付交通新聞交通評論欄での宇都宮先生の指摘。

「鉄道事業者自身も、目先の収支改善では測れないさまざまな役割を、もっと積極的にアピールしてはどうか」

延伸を実現する会に出席して感じたことに通じます。

湊線の延伸は、十分に採算性が取れて地域経済活性化にも大きな効果が見込まれる事業です。

が、その経済効果がなかなか市民をはじめ一般の皆さんに浸透せず、大きな経費がかかるハコモノ事業、というとらえ方をされがちです。

会議でもお話ししましたが、事業費のうち、ひたちなか海浜鉄道負担分は26億円。

年間200万人超の国営ひたち海浜公園来訪者のうち1割(20万人)だけが鉄道をご利用いただいても、往復運賃1000円×20万人=2億円の増収です。

単純に計算すれば10年少々で元が取れてしまいます。

この他にも地元の普段使いや公園周辺の商業施設・映画館などへのお客様のご利用が見込まれますから、実際には上記以外にもかなりの収入が見込まれます。

また、北陸新幹線を見てもわかるとおり、鉄道開業による誘客効果も期待できます。

おそらく、今とは違い「たくさんのお客さまスムーズにご乗車いただく」ことに腐心することになりそうです。

経済効果も見込まれます。

確実なところで、ご利用の3割のお客様が市内でお食事やお買い物をしていただけそうです。(現在のネモフィラシャトルバスご利用の方へのアンケート結果より)

おひとり3千円ほどご利用いただけるとして、10万人×3割×3千円=9千万円。

小さく小さく絶対確実なところだけを見積もっても、鉄道にとっても地域にとってもマイナスのないお話です。

でも、「ハコモノ」とか「事業費78億円」というイメージが先行して「ローカル鉄道にそんなにお金をかけるのは無駄では」(マイナス意見)、「反対はしないけど」(静観意見)などの声がかなり聞かれます。

こうした誤理解で事業遂行が停滞することのないよう、事業者も地道にアピールしていくことが必要ですね。

宇都宮先生の結びの言葉は「鉄道事業者には、CO2計算機のような攻めの情報発信を期待したい」。

身に沁みます。